彼がヤクザになりまして

そして私は通報された

第1話、推しの誕生日に付き合いはじめた

はじめまして。

付き合っていた男がヤクザ屋さんになり、そいつに警察に通報された女です。

 

彼 が ヤ ク ザ に な り ま し て 01

 

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ヤクザ屋さんになったところから書けばはやく終わるのでしょうが「そんな男と付き合っていたお前は何なの?」と言われることが恐ろしいので、すべてのはじまりから語らせてください。

 
◎こうして付き合いはじめました

2017年11月11日、みんなをハッピーにしてくれるあの先輩アイドル作品名を出して迷惑をかけてしまうことは不本意なので、気の合うオタクだけが察してください。のお誕生日に、私はLINEで(なぜかメモのスクショで)告白されました。

 

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告白が直接じゃないことには賛否両論あるかと思いますが、呼び出されたうえで2時間くらいかけて「好き……なんやと……思う……」と小さい声で絞り出され、そこに返事するまでさらに1時間以上帰してもらえなかったことがある人間としては全然気にしません。私としても「あなたが嫌いなわけではないけれど、私は語源の意味でのメンヘラなので快諾できない」ということをお伝えしなければいけなかったのでむしろありがたかったくらいです。

※私は13歳の頃にうつ病を診断されており、何度か再発しています。

その私の申し出に対する回答は「その程度の事自分気にすると思いますか!?」

ひゅ~~~~! 器がでっかい!!

当時の彼は私の全肯定マンだったので「かわいい」「すごい」「さすが」「尊敬してます」「結婚してください」のオンパレードでした。まぁ、だからこそ年上好きを明言する私が年下と付き合おうだなんて思えてしまったのですが。そう、今更ですが彼は私のひとつ年下です。

全肯定マンは、私の頻繁な体調不良や落ち込み、自律神経の異常も些細なこととして受け止め、その他の部分を長所とみなして好いてくれている。すごい。私の取り柄なんて顔くらいしかないのに。むしろ「自分は顔より性格重視ですから」とか言い出す。

 

まぁ、何はともあれ、こうして、私たちは付き合いはじめました。

 

あれ? でも、LINEで告白されたとき、たしか「実は一目惚れして」って書いてあったよね? それなのに、顔より性格重視? 私の性格なんてゴミクズなのに?

 

幸福感にかまけてこの矛盾を追跡しなかったことが、後々こんな悲劇を引き起こすことになるなんて、このときの私は、思いもしなかったのだった……。

 

 

◎幸せ絶頂期

わざわざ調べて紅葉のライトアップを見に連れて行ってくれたり、行ってみたいと言った水族館アウトレットに連れて行ってくれたり、仕事終わりにわざわざ来てくれたり……。これまで元彼含む他人に「車を出せアッシーくん」という扱いしかされたことのなかった私、大感激。え? 家まで迎えに来てくれるの……? 帰りも、家の前まで車で送ってくれるの……? すごくない?

感激という麻薬は、脳の働きを鈍らせます。

  • 嫌われたくなくて言ってなかったんですが、実は、前科持ってます。でももう、そこから心入れ替えて安全運転につとめています!※車関係の違反らしい
  • ちょっと前まで車のチーム(改造車を集団で走らせたり駐車場で大音量の音楽を鳴らしていたりする一派)に入っていましたが、ばかばかしくて辞めました!
  • 結構この辺で喧嘩とか売られてたんですけど、今はもう、そういうのには関わる気ありません!

昔はやんちゃだったけど、今は落ち着いているんだな~。

私 は ば か か ? そう、私はばかです。でも言い訳だけさせてください。私のことを1から100まで全肯定する人間で、自分の携帯の指紋認証に私の指紋を登録する人間で、電話帳の中身をぜんぶ見せてくれる人間で、Twitter本垢を教えてくれる人間に、今後の清廉潔白を誓われたら、それを信じるしかないじゃないですか。信じるしか、ないじゃ、ないですか……。 

まぁ、人間不信のくせに信じてしまった私がばかなんですが。

おかげさまで今は、加速する人間不信。待ったなしのぼっち。

 

いやいや、この時期はこんな不穏な未来が見えていなかったので本当に幸福絶頂期でした。

クリスマス前には温泉旅行に行き、お正月は仕事で死にかけている私を救ってもらい、その後に本当にぶっ倒れてしまった私に「まずは仕事やめてきて。お金のことは俺もいるんだから心配しないで」と。まぁお金の件は結婚どころか同棲もしていないのでデートの際に奢ってもらうことが増えるばかりという感じだったのですが。でも、この言葉に救われて私はブラック飲食店をオサラバし、ブラックコールセンター派遣社員に変身を遂げることができましたので、実際とても感謝しています。

毎月記念日には0時ぴったりにメッセージくれるし、相も変わらず私の全肯定マンだし、頻繁に「結婚したい」と言ってくれるし、ひょっとしたら、私はこの人と結婚するのかな? と、結構真面目に信じていました。物心ついたときには結婚願望がマイナス値に振り切れていたタイプの人間なので、本当にこの時期は幸福の麻薬にラリっていたようです。

 

しかし、この絶頂期に、今回の騒動の前身となる話を聞かされます。

 

つづく。