第2話、バレンタインを血に染めて
前回のあらすじ
推しの誕生日に付き合いはじめた私たち。彼は昔ちょっとヤンチャだったみたいだけど、今はもう関係ないって言っているし、私のことをとっても大事にしてくれているし、昔のことなんて、そんなの、ぜーんぜんっ関係ないよね♡
幸福メーターをカンストして脳がラリっちゃうほどハッピー♡ピュアピュア♡ハートフル♡ラブラブストーリー
ねえ。もしも、あなたが過去に戻ることができるなら、騙されちゃう馬鹿な私のこと、止めてくれないかな? こんな悲しい結末にならないように、仮初の幸福を捨てさせてくれないかな?
彼 が ヤ ク ザ に な り ま し て 02
◎人生最大のトラウマとなった元カノさん
紆余曲折あったのですがLINEで「真面目な話があります」「長くなります」と前置いてこのようなお話をされました。付き合いはじめて1ヶ月もたたない頃です。まだがっつり敬語を使われていた頃。
まず第1段落(段落じゃねーんだわ)についてですが、この元カノさんは高校の同級生だそうです。ここはどうでもよいのですが。
大切なのは、ここ!
- 「こちらから別れを切り出し」
- 「今度一切自分に関わらないように伝え縁を切りました」
はい、このふたつです。
まずは「こちらから別れを切り出し」についてですが、付き合って割とすぐの頃から「絶対に自分からは離れません」といったような言葉を伝えられていたため、自分から別れを切り出したということが余程の異常事態だと当時のラリラリ女は解釈いたしました。「この人以外は自分から別れていない」というようなことを本人も言っていたように思います。
何度かこの元カノさんのことは「絶対にこいつだけは許さない」といったことを言っており、よほど憎んでいたのだなあと他人ごとのように考えておりました。何せ、当時はラブラブでハッピーな日々でしたので。
そして、次に「今後一切自分に関わらないように伝え縁を切りました」についてですが、私もされました! え! 浮気とかしてないし、水商売もしていないのに! コールセンターのお仕事で毎日怒鳴られているだけなのに!
これについては今後の記事で詳細に語りますので、伏線としてお考えください。
次に第2段落(国語の授業みたいで楽しくなってきたぞ)ですが、ここにあるように、私が知り合った時点で彼の友人は非常に少なかったように思います。前の記事に電話帳を見せてもらったことを書きましたが、電話帳は私を登録する直前の状態で、両親、親友の3人でした。まぁその半月前くらいに携帯が壊れてデータをすべて失ったばかりだったらしいので、そのせいもあるのかもしれませんが。LINEの友だちもひととおり見せられ「この人は職場の人」「この人は前職場にいた後輩」と説明してもらったことがありますが、20人前後とかなり少なかったと思います。
念のためお伝えしますが、電話帳もLINEも私が「見せて」と頼んだわけではありません。なぜか向こうが自発的に見せてくれました。まぁ見せてもらったら見るんですけど。
はい、第3、第4段落ですが、ラリラリ女の私もここで悟ります。
それは、付き合った翌日、私がうつ歴を一応お伝えしたときのことでした。彼は「実は自分も一瞬心療内科にかかったことがあって~」と話し出しました。信頼していた人に裏切られて、人間不信になり、鬱々としながら仕事と家の往復をしていた。そんな話だったような、気がする……。対面で直接対話をしていたので正確な記録がないんですよね。記憶が頼りなさすぎる。
まぁ、でも「あの話がこれか! メンクリ送りにしたのは、この元カノか!」と、さすがに幸福の麻薬漬けにされていても悟りました。
車のチーム(言い方がかっこよくてムカつくので今後は暴走族と表記)は「ばかばかしくて辞めた」と聞いていましたが、実際は暴走族の中心メンバー(本人がナンバー3だったらしいのでおそらくトップ)とこの件でバチバチ火花を散らしたからみたいですね。トップと自分の女が寝てたからってことだと思います。トップだけじゃなくて、他のメンバーともなのかな? 修羅場がすごくない? こわ。
第5段落の心臓痛ですが、なんか偏頭痛持ちなうえ、似たような状況下で心臓も痛くなるらしいです。倒れたり血を吐いたりしたこともあるらしい。心配だぽょ。。。
真偽は定かでありませんが、このことはご両親も知らないらしい。病院嫌いなので病院にも通っていません。
この話題も後々出てきますので、大事な伏線です。
と、各段落の解説を加えて長くなってしまいましたが、彼の当時での「人生最大のトラウマ」となった元カノさんのお話でした。
◎地獄の2月
ここで少し、私の話をさせてください。いいよ? ありがとう♡
前の記事でブラック飲食にオサラバし~と語っていますが、私は1月に過労とストレスとで複数回ぶっ倒れました。12月に毎週末5:30-22:00休憩なし勤務とか、正月に60時退勤とか、そういった積み重ねで弱っちい身体は悲鳴を上げ、自分のシフトをこなすことすらできなくなり、別店舗も任されたからと私に仕事の一切を丸投げしていた店長のジジイに「迷惑」「足手纏い」と言われ、退職しました。
そこで当時はジェントルだった彼の「お金のことは心配しなくていいからまずは休んで」という言葉に甘え「多少これまでより稼ぎは減っても、派遣で事務とかの仕事を探そう」と1月いっぱいは家で休養し、2月のあたまに派遣の登録会の予定を入れました。
しかし、熱を出す。
一晩で急に発熱したのでインフルエンザかな? と思うのですが、1月末までと言ったくせに最終出勤日(25日くらいだった気がする)で退職にしやがったジジイのせいで保険証が使えず、病院にも行けていないのでわかりません(関係ないけどこの退職日のせいで日割りがきかないばか高い国保の金も1ヶ月分とられて本当にむかついた)。
泣く泣く派遣の登録日をずらすも、2009年にインフルエンザで入院したという経歴を持つ雑魚女のため、たしか1週間くらい遅らせたような気がします。スタートダッシュからずっこけた、そのとき、さらに大きな悲劇が私を襲う!
2月の1日か2日、高熱と関節の痛みに半泣きになりながら寝ていたとき、兄から家族のグループにLINEがきました。勢いでその翌日くらいに消してしまったので文面はうろ覚えなのですが「不法侵入の件は警察に相談して、本籍を移し、住民票に閲覧制限をかける許可をもらいました。もう連絡してこないでください」みたいな感じだったと思います。そしてその直後にグループは退会。
兄は毎年県内を転々と異動していて、当時は近所にひとり暮らしをしている状態でした。ちなみに私は実家というか、母と弟と賃貸物件に3人暮らし。
察せよ! 流行りの毒親なんだよ!
私の母は重度の過干渉ババアなので、1月3日に事故って(60時退勤した私が大雪のなか深夜の病院に母と迎えに行きました)車全損になった兄がなかなか次の車の見積もりを取りに行かないから! という理由で勝手に見積もり取ってきたんですよね。そして「見積もりが家にあるから取りにおいで」と兄に連絡するも無視されると言うので、私も同じことを兄に伝えてみたが、無視。グループの方も既読が増えない。
事故の直後は額をがっつり縫っていて、オーバードーズも構わず鎮痛剤を飲んでいた(兄はドラッグストア勤務です)ので、母、心配になる。
「もしかしたら、お兄ちゃん、倒れてるかもしれない」
この心配については、倒れまくっていた私がいたせいで生じた部分もあると思うので、あまりネタにはできないのですが、母はこの心配を原動力に、取りに来てもらえない見積もりを持って兄の家に赴きます。見積もりを玄関の取っ手に掛けようとしたとき、異常に気が付きました。
「あれ? 鍵が開いている?」
後になって弟から聞いた話ですが、兄は普段から家にいるときは就寝中だろうと施錠をしていなかったらしいです。こわ。田舎でよかったな。
そんなことを知らない母、明かりが煌々と灯るも人の声がしない、鍵が開いている家の中では自分の息子が倒れているに違いないと扉を開け、家に入る。一面に広がる限界汚部屋。普通に布団で寝ている兄。
ほっとひと安心した母は、兄の枕元にまるでサンタさんのごとく見積もりを置き、そっと部屋を後にしました。
めでたしめでたし。めでたくねーんだよな。
母、勝手に部屋に入った罪悪感はあるらしく(見積もりは余計なことをしたと思っていないところがポイント)LINEで「不法侵入失礼しました」と謝罪。当然無視。既読もつかない。
そんな状態で2週間ほどたったとき、兄から絶縁宣言LINEがきましたとさ。ちゃんちゃん。
いやいや、そんくらいで家族関係ぜんぶ切るか!? メンヘラゴミクズ女こと私、兄ですらあっさり絶縁すると知り連日情緒不安定。毎晩めそめそ枕を濡らす。だけど、自分のせいだという認識の母は、私の比なんかじゃない。私は自分も情緒不安定なのに、母をなるべく仕事以外でひとりにしない。話を絶えさせない。
とは言っても人を慮るほど人間性が出来上がっていないクズ人間なので、そうやって私の精神は余計に疲弊。そう、これが悪循環です。
しかし現実は私の情緒の回復なんて待ってはくれないので、そんな状態で派遣先を探しました。2日か3日であっさり決まりました。おめでとう私! これで短期間とは言えニートも卒業だね!
2月半ば、はじめてのコールセンター業務。どきどき。
怒鳴られる。キレられる。説教される。訛ってて何言っているかわからない。
そっか! これがコールセンターのお仕事なんだね! 時給が高いはずだよ!
普通に新しい環境で慣れない仕事をするだけでも結構なエネルギーを使うのに、よりにもよって情緒不安定の最盛期。そして業務内容がこれ。私はやっぱり毎晩めそめそし続けます。
そんなときにやってきました! ドキドキ♡バレンタイン
たぶん1月だと思うんですけど、無料配布みたいなチョコレートのひとつを手に取って当時マジラブラブ♡の彼氏くんに「ハッピーバレンタイン」って渡したんですよ。あほ面で「え」と言われました。
いやいや、勿論、そこそこの見栄えと値段のものを購入するつもりではいたんですけど、あまりに雑に終わらせたフリをしたところ、クリスマスには「何もいりません! 隣にいてくれるだけでじゅうぶんです!」と言っていた男、チョコは欲しがる。え? その違いは、何?
よくわからなかったのですが、バレンタイン直前の週末にちゃんとしたチョコをあげました。しかしその後、LINEでのやり取りの途中に本人から「バレンタインはクリスマスより特別感高い」と言われました。え、ごめん……。クリスマスほど良いものはあげていない……。
これはもう1回あげよう! と、新たにチョコを購入しに行く健気な私。当日より1日か2日ほど遅れた気がしますが、仕事終わりに渡しに行くねと伝え、その日、事件は起こります。
出勤中に教えてもらったついでにフォローキメていたTwitterで「たくさんもらったからチョコはもういらない。塩分欲しい」みたいな呟きを発見。は? は? はぁ?
おめーがバレンタインは特別だとか抜かしたから私は大混雑のなかで高いチョコを複数個購入して、慣れない仕事終わりにわざわざ出向こうとしてんやぞ?
こちとら兄の失踪と慣れない仕事とで情緒不安定最盛期、ついでにがっつり生理中でさらに無理の無理。死ぬほど腹が立って、死ぬほど絶望した。
なので、よくわからないけれど道中にじゃがりこを購入し、会っていきなりチョコのかわりにじゃがりこを渡し、突然の号泣。※その後チョコも渡しました
いや、わかっているんですよ。この日の私がいかに面倒くさかったのか。
でも、おそらくこの日から何もかもがおかしくなりはじめたんですよね。そしてここが歯車の狂いはじめた日だとしたら悪いのは私かもしれないと思っていたんですけど、改めて思い返しながら書いてみると、向こうも相当頭いかれてやがるじゃねーの! バレンタイン大事とかぬかしてチョコいらないはふざけんな! ばーかばーか!
そしてホワイトデー楽しみにしててねって言われた記憶があるんですけど、もらってません!!!!!!!!!!!!寄越せや!!!!!!!!!!!!!バレンタインたぶん5桁使ってんやぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!